眠りの効用をゲットせよ! 251206
最近の子どもたちを見ると、「よく体を動かし、よく食べ、よく眠る、快便」という成長期の子どもにとって当たり前で必要不可欠な基本的生活習慣が大きく乱れています。特に、ゲームやSNS、テレビの長時間視聴による視力低下、睡眠不足、運動不足が話題になっています。一般的に、睡眠はただの休息と考えがちです。でも、脳や体の成長だけでなく、日々の集中力や記憶力、感情のコントロールなどにも関わっており、子どもたちの未来に大きく影響すると考えられます。
そこで、今回の学校保健委員会では、津久田小の子どもたちの睡眠不足の問題を取り上げました。スバリ!「すいみんについて考えよう~ぐっすり眠って元気な毎日を~」をテーマに、児童保健・給食委員の発表とグループワークが行われました。冒頭、スクリーンに、恒例の真実の扉が投影されました。
冒頭、スマホに熱中するやけにスーツが似合う青年が登場しました。明るい表情の裏には、深刻な悩みも抱えているようです。それは、夜中までスマホに耽溺するあまり、睡眠不足に陥っていることでした。職場では、仕事中にあくびが出て、集中できないと告白しました。ここでお馴染み『名探偵コナン』の主人公3代目沼尾川コナオくんが登場しました。すかさず、ステージ中央で、「この悩みを解決する真実の扉は実は5つある」と力強く宣言しました。さらに、参加者が待ち望んだイカ星人も登場し、会場の子どもたちにクイズを解くように促しました。
今回は、こんなクイズが出題されました。
①小学生に必要な睡眠時間は9~10時間? ②ブルーライトは身体にいいもの?、
③睡眠を取ると疲れがとれる? ④学校で勉強したことを覚えるのはいつ?
⑤寝ることで、病気と闘う力が強くなる?
子どもたちの常識を覆すような良問が揃いました。実際、正解が発表される度に、会場は大盛り上がりとなりました。最後に、保健・給食委員は、眠ることは、①身体のパワーを充電、②記憶の整理、③病気に負けない身体とまとめてくれました。
この後、「睡眠時間を確保するためにはどうしたらいい?」と題したグループワークが行われました。早速、津久田タイムのグループに教員・保護者の皆様を加え、車座になりました。普段活動しているメンバーらしく、スムーズに協議が進んでいきます。6年生によるリーダーシップも大きな力を発揮していました。子どもたちは、メディアを使うときの約束を基に、「寝る前にメディアはやめる」「メディアの使用時間を決める」「いつもより早く布団に入る」「家族に協力してもらう」「上手くできたらご褒美」「宿題を早く済ませる」「やらなきゃいけないことは寝る前にやらない」「早く眠れるように、昼間は身体を動かす」などが発表されていました。
その後、講師の学校医中山先生と学校薬剤師の石井先生から指導・講評をいただきました。大谷選手は毎日10時間睡眠をとっていることなどに敏感に反応していました。
ご家庭でも、お子さんの睡眠について話題にされてはいかがでしょうか。
見たぞ!字が上手くなるツボ 251205
いよいよ今年もあとわずかになりました。この日は、3年生以上の子どもたちが、校内書き初め大会へ向けた練習を行いました。広々とした体育館は今季最大の寒気で、キンキンに冷えていました。講師は、お馴染みの須田先生・小山先生・荒井先生・永井先生です。
3年生は、初めて書き初めに挑戦します。子どもたちは、神妙な顔つきで体育館に集まりました。整然と並んで準備をするのですが、時間がかかります。でも、今年は違います。粛々と準備をする姿に、やる気を感じました。
最初に、須田先生から書き初め用紙の置き方や墨汁の量、筆の使い方、筆の使い方等の説明がありました。文字の全体のバランスや細かいポイントについて確認がありました。課題は、「友だち」です。いざ、挑戦!筆に墨がつきすぎる子、圧が強すぎて用紙に穴があいた子、「友」が大きすぎて残りのスペースに余裕がない子などがいました。少数ですが、最初からバランスのよい字を書く子もいました。徐々に慣れてきて、体育館のあちこちで、条幅いっぱいののびのびとした「友だち」という作品が踊っていました。子どもたちの「止め」「はらい」などを見ていると、筆遣いが向上してきたことがよく分かりました。最後は、細筆で名前を書き込みました。これがまた難しそうでした。
トップバッターの4年生の課題は「明るい心」です。まず、ポイントを確認して、書き初め用紙を折っていくつかに分割しました。いざ、挑戦!筆に墨がつきすぎる子、圧が強すぎて用紙に穴があいた子などがいました。この課題は、全体のバランスをとるのが難しく、最後にスペースが余った子がいました。中には、最初からバランスのよい字を書く子もいました。この日は、課題となる字や部分を注意深く観察し、一文字一文字気持ちを込めて書き上げていました。講師の先生方には、子どもたちが書いてる場所を巡回して、きめ細かな指導をしていただきました。徐々に慣れてきて、体育館のあちこちで、条幅いっぱいののびのびとした「明るい心」という作品が踊っていました。
午後の音楽には、再び須田先生が登場。たくさんの種類の筆や墨汁を持参していただきました。中には、TVで見たことがある大きな筆や1本5万円もする筆が含まれていました。「」「ずいぶん柔らかい毛だね」「羊だって」「金色の墨汁もあるよ」と驚きの声があがりました。「上手になるには、できるだけ高い筆を使った方がよい」とのことに、「お母さんに買ってもらうよ」と反応した子もいました。
続いて、美しい文字を書くために確認することとして、①~⑩のことが確認されました。
①文字は右上がりに… ②横画は角度を変える…
③書き順にあわせる… ④文字のすき間をそろえる…
⑤とめ•はね•はらいをしっかりと… ⑥漢字は10割・カタカナ8割・ひらがな7割で書く…
⑦右下に重心を置く… ⑧左右のバランスを意識する…
⑨余白を意識する… ⑩書くときは美しい文字を頭に思うことを意識する…
実際に、事例を挙げていただくと、なるほどと納得できます。③の書き順では、「右・左」「必」などの書き順を確かめました。「行書になると書き順が大事だね」「ぼくたちは、一番新しい字(楷書)を書いているんだね」といった声が聞かれました。
最後に、朱墨で字を書いていただきました。5年担任のリクエストで、「一所懸命」を書いていただきました。一字ずつ出来上がる度に、取り囲む子どもたちから歓声があがりました。校長が「津久田」を掲げると、もう一度歓声があがりました。
探れ!音の秘密 251204
子どもたちのまわりは、いろいろな音に溢れています。音楽の授業では、鍵盤ハーモニカーやリコーダーを演奏してきました。今回、子どもたちは、音を出したときの震え方に着目して、音の大きさや高さを変えたときの現象の違いを比較しながら、音の性質について調べました。
最初に、既存の楽器で音が出ている場所は震えている(振動している)ことを学びました。ここでは、振動するとアクリルの円筒の中の発泡スチロールが跳び上がる教材や音叉の間に玉入った教材を新規導入しました。さらに音楽室から大太鼓を借りて、ボン!と叩いたときに威勢よく発泡スチロール玉が跳び上がることを確認しました。「すごく跳び上がってるよ」「横に倒して試してみたら」「ぼくも叩きたいよ」と、嬉々として大太鼓や音叉を叩いていました。
次に、紙や輪ゴム、ストローなど身近な材料を使って自分で簡単な楽器を作り、音を出しました。教材キットから箱ギター、鳴くコップなどを作りました。鳴き声コップでは、「こするとキューキュー音がするよ」「かわいい音がするね」「モールが震えてるよ」と教えてくれました。むずかしかったのは紙笛です。すぐにピーッ!と音が出た子がいる反面、唾で紙がくしゃくしゃになっても音が出ない子がいました。「穴のところが震えてないからだよ」「震えないと音がしないんだよ」と教えてくれる子もいました。
いよいよ楽しみにしていた糸電話。糸電話は、出した音を糸の振動によって相手に伝え、音声を届ける道具です。子どもたちは、目一杯長い糸を用いて二人組になって遊びました。その中で、「糸がたるんでいると音がしないよ」「糸を指で押さえるとおとがしないよ」「音は、上にも下にも行くのかな」「階段でやってみたら」「4人いっぺんに糸電話が使えるかな?」と子どもたちの発想によって実験が進んでいきました。3人組・4人組での糸電話には、糸が絡まないように細心の注意をはらいました。「おっと!よく聞こえるよ」「みんな、糸をはじいてみるね」「糸がゆるむと聞こえないよ」といった声が聞かれました。
最後に、オシロスコープのアプリやビーカーや試験管で音階づくりに挑戦しました。オシロスコープでは、子どもたちの声を波に変換してみました。子どもたちは、「大きな声では、波が大きくなるね」「高い声は、波が細かいよ」と、素晴らしい発見をしました。音階づくりでは、ビーカーや試験管に入れる水の量を調節して、ガラス棒で叩きました。すると、あら不思議、ヴィブラフォンのような音が聞かれました。子どもたちからは、「水が少ないと低い音だね」「ドからラまで出来たよ。聞いてみて!」という声が聞かれました。
第二弾!「ふつう」って何だ? 251203
皆さんにとって「ふつう」の基準は何でしょう?ふと立ち止まって考えてみると、そのような会話に違和感を感じる時があります。「ふつう」って一体どういうことでしょうか? 人権週間真っ只中の行事第二弾は、児童会本部本部主催の人権交流会です。今回は、この「ふつう」について考えました。
まず、「人権」とは、「自分らしく幸せに生きる権利」のことです。人権を阻害するひとつが「いじめ」です。津久田小は、いじめゼロを目指しています。児童会の説明の後、ステージに黒いランドセルを背負った女の子が登場しました。「女の子で、黒のランドセルは私だけ」「ふつう、赤やピンクをもっているのに…」と悩ましそうです。この様子を見て、6年生がステージに上がり、「ふつう」とは何かを問いました。
隣近所で、「ふつう」について思うところを交流します。すると、「真ん中」「普通?」「多いこと」「当たり前」「みんなと同じ?」「イライラさせたり、落ちこませたりする言葉」という考えが出てきました。
「ふつう」の基準は何なのでしょうか。それはそう言っている本人の考えです。自分が今までそう考えてきたこと、そうしてきたことを「ふつう」や「当たり前」と言ってしまっているのだと思います。津久田小学校には、今100人近い子どもたちが在籍しています。それぞれの子どもたちには、話すことが得意な子、静かに考えるのが好きな子、走るのが得意な子、歌が上手な子、絵を描くのが得意な子がいます。どの子も、それぞれの「ちがい」を持ちながら、毎日ワクワクしながらに学び、友達と関わり合っています。一人ひとりが「ちがっている」ことは、決して特別なことではありません。つまり、「ふつう」は人によって違うものであり、「ふつう」はその人のものさしです。絶対的なものさしではありません。だから、その人のものさしで、他人を評価することは慎まなければなりません。いろいろなちがいは、いわば「あいこ」のようなものです。ランドセルの色のちがいは、「個性」と考えられます。
というように、児童会の面々が上手にまとめてくれました。
開幕!人権集中学習 251202
12月2日から津久田小人権週間が始まりました。世界人権宣言のなかには、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利において平等である」と謳われています。津久田小でも、期間中、人権朝礼・標語作成・人権に関する研究授業・人権集会・1・2年生の人権教室(人権擁護委員来校)、関連動画視聴などを行い、改めて身のまわりの人権について考える機会としています。
トップバッターは、校長。人権朝礼です。「人を笑顔にする『おもいやり算』」をテーマに、プレゼンテーションを行いました。
最初に、「人」の字を大きくスクリーンに投影し、「人権」の意味を問いました。「『人』という字は、人と人が支え合うように見えませんか」、「世の中は、人と人が支え合って生きています」 その中で、「自分と( )を大切にする」というスライドが提示されました。さて、( )には、何が入るのでしょう?子どもたちは、隣とペアになって考えました。「友だち?」「友だちが出たから、先生!」「兄姉」「家族」「世界中の人」…。様々な答えが発表されました。オープンエンドの問題なので、算数のような明確な答えはありません。
満を持して校長は、「人を笑顔にする『おもいやり算』」を紹介しました。会場からは、「えっ!それ何?」「聞いたことない!」という声があがりました。算数の学習では、「+」は足し算、「-」は引き算、「×」はかけ算、「÷」は割り算です。でも、「人を笑顔にする『おもいやり算』」では、
●「+」は、たすけあう→助け合うと大きな力になるということです。
●「-」は、ひきうける→引き受けると喜びが生まれるということです。
●「×」は、声をかける→声をかけると一つになれるということです。
●「÷」は、わけあう →いたわると笑顔が増えるということです。
でした。
この後、熊本県の3年生の作文「とび箱」の朗読が始まりました。 しっとりとする内容に、子どもたちは耳をそばだてました。「体育が苦手な子がとびばこに挑戦します。でも、何回跳んでも、お尻が跳び箱の角にぶつかってしまいます。初めは小さく聞こえていた笑い声が、どんどん大きく聞こえてきました。 その時 「笑うな!」 と、大きな声が聞こえました。体育館が一瞬、シーンと静まり返りました。」最後に、こう問いかけました。「あなたは、笑う子ですか?『笑うな!』という子ですか?『がんばれ!』と励ます子ですか?」
助け合う、引き受ける、声をかける、分け合うという「おもいやり算」を行動に移すことで、笑顔や元気がいっぱいの学校になっていくと思います。