幼虫観察会へGO! 250610
ヒメギフチョウは1頭のメスから100個前後の卵を産んでいのですが、ここ最近は年間 1,000個程度しか卵が見つかまりません。第1回学習会では、須田先生から「今年も厳しいです」と嘆きを含んだ報告をしていただきました。卵は人の手でふ化させるとのことです。実際、黄金週間後の現地観察会では、ヒメギフチョウの影も形も見られませんでした。
6月上旬、子どもたちは幼虫観察会に出かけました。講師の皆様と一緒に、前回のコースを散策しました。
子どもたちは、学習会で学んだように注意深くウスバサイシンの葉の裏をめくります。でも残念ながら、ヒメギフチョウの幼虫は見当たりませんでした。講師にイケマという山草を紹介され、葉の裏をめくってみると…。なんと、アサギマダラの卵があるではないでしょうか。「わぁー!」と歓声を上げる子どもたち。その後は、植物を観察したり、セミの抜け殻も探したりしました。
最後に、下に降りて保護看板やシカを進入防止ネットの場所へ行きました。「ネットの内側と外側では、草の生え方に違いがあるね」「内側は草が残っていて、外側は食べられてるよ」「ネットは必要だね」という声が聞かれました。
今年から、他の学年でもヒメギフチョウ保護に関する学習が続きます。
4年生、モロコシ山へ 240508
黄金週間明け、4年生がヒメギフチョウの観察会へ出かけました。昼過ぎには荒天が予想される中、晴れ間を縫って実施されました。5月4日の観察会では、なんと7とうのヒメギフチョウに出会ったそうです。早くも人工ふ化の成果が現れたのだと思います。「今日は、それを上回る数のヒメギフチョウに出会うのでは…」という期待を抱いて学校を後にしました。
キャンプ場の駐車場には、須田さん・大平さん・松村さんが待っていました。子どもたちの期待も高まります。
講師の皆様には、歩きながらヒメギフチョウやモロコシ山の動植物について、丁寧に解説していただきました。例えば、カラマツ林と雑木林の違い、リスやネズミが食べたクルミのかけらなどを学びました。日頃から、昆虫や魚・両生類等に興味関心が旺盛な子どもたちは、目が生き生きとしています。「花が少ないです。」「ウスバサイシンが小さいかな」というお話もありました。
ウスバサイシンをみつけると、「あのエメラルドみたいなのあるかな」と、葉の裏でたまごの確認をしました。でも期待に反して、たまごは見つかりませんでした。肝心のヒメギフチョウも、舞っていませんでした。「どうしたのかね」「残念だね」という声も聞かれました。また、「ヒメギフチョウ、絶滅するんじゃないかな」と危惧する子もいました。
山を下りながら、昔の炭焼き跡や先輩たちがかいた看板を発見しました。去年、ミズナラの若木を植えたところには、鹿の進入を防ぐネットもたくさんありました。
次は、5・6年も参加して教室で第2回学習会になります。本日の観察会で学習したことを中心に質疑応答を行います。
スタート!ヒメギフ学習 240430
ヒメギフチョウは準絶滅危惧種であり、群馬県では赤城山にしか生息しません。そんなヒメギフチョウについて、津久田小学校では、4年生が総合的な学習の時間で扱っています。年間を通して知識を得る時間や観察する時間、保護活動を行う時間が割り当てられています。今年から、3年・5年・6年生も一部学習していきます。子どもたちがどんな実践をするのか楽しみです。
本日は、須田昭司さん・長谷川さんを講師に、ヒメギフチョウについての学習会が行われました。生活科で虫を探した3年生、去年モンシロチョウの勉強した4年生は、待ってましたといった感じです。
最初に、須田さんからヒメギフチョウの名前の由来、その分布状況について説明していただきました。さらに赤城山のヒメギフチョウの特徴では、他の場所のヒメギフチョウより大きくて赤い部分が多いと教えていただきました。なるほど、写真で見るととってもきれいです。ヒメギフチョウの標本が提示されたときには、教室中で「うぉ~!」歓声があがりました。次に、長谷川さんから、卵から幼虫・さなぎ・成虫までのヒメギフチョウの一生について教えていただきました。それによれば、1頭のメスから100個前後の卵を産んでいのですが、ここ最近は年間1,000個程度しか卵が見つかまりませんでした。経年変化のグラフからも、ヒメギフチョウが減少していることが分かりました。原因として炭焼きが行われなくなり、山が荒れ放題になったことがあげられます。さらに、幼虫のえさであるウスバサイシンの葉に日光が当たりすぎて固くなっています。これでは、えさも少なくなりますね。
羽化したときの動画も視聴しました。動くヒメギフチョウに、子どもたちは興味津々といった感じがうかがわれました。
最後に、チョウの秘蔵コレクションとウスバサイシンの鉢植えを見せていただきました。須田さんの保護される前のヒメギフチョウは、圧巻でした。
これから、子どもたちがヒメギフチョウを増やすための作戦を実行していきます。黄金週間明けには、4年生が幼虫観察会に出かけます。